私はいつから本屋がやりたかったのだろう?
ぼんやり考えていただけだけれど、 少なくともずっと憧れのようなものはありました。 ここ、私が住んでいる町、辻堂に「町の本屋」がないということも要因として大きかったと思います。 しかし、もし誰かがやってくれたらそれでよかったのでしょうか。 いつからか、私は「自分が」「この町」で「本屋をやる」そのようにぼんやりと考えていました。 dee's magazine vol.06が発刊したのは2022年10月末 テーマ「大人の社会科見学」号で、このように書きました。 ーーー 私が生まれ育った大森町の駅前には「田中書店」という本屋さんと 「みどり屋」という文房具屋さんがあった。私が本好きになった源だと思う。 本が好きと言っても読むことだけが好きなのではなく、本の存在自体が好きだった。 紙が束ねられているものの魅力を知った。 これはみどり屋の存在も大きい。紙が1枚から買うことができることや、 紙にいろいろな種類があること、画用紙よりもおおきい紙があることなどを知ったのだ。 商店街にあったこのふたつのお店のおかげで、今の私がある。 私の背中を押す存在だった。 それが田中書店の1冊の本だったし、みどり屋の1枚の紙だった。 そんな本屋さんと文房具屋さんみたいな存在に自分もなれたらなぁ、と近頃は思う。 町には、そういう存在が必要なのだ。 本屋や文房具屋でなくても構わないけれど、子どもがひとりで入ることができ、 何かひとつ自分のお小遣いで買うことができるものが売っている、そんな場所が。 とはいえ、そんな場所を自分ができるとは簡単には思わないし、 今すぐやりたい!と言えるほどの経済力もないのだけれど…。 それでも希望は少しだけ持っている。 先日、編集者の林央子さんに教えていただき、福岡県うきは市にあるMINOU BOOKSの石井さんのポッドキャストを聴いた。 石井さんが海外を旅する中で、本屋や音楽やそこに暮らす人々との関わりから 「市民が町を変えることができる」という実感を持ち、 実際に自分が生まれ育った町で本屋さんを始め、 自分の町にもそれを持ち帰ったという話には、未来は明るいしこうやって変えることができるのかもしれない、 と強い希望と期待を持った。 近頃では本屋さんをやりたいという人は少なからずいるようだ。 私のTwitterのタイムラインでは、ここ最近新しくオープンした独立系本屋さんをよく見かける。 本屋なんて利潤の最も薄い商売だし勧めない。大変だからやめたほうがいい。 やっている人は皆そういうらしい。 でも、そこには(どうしてもやりたい、っていうんだったら応援するけどね)という、 期待と希望みたいなものが見え隠れしている気もする。 みんな応援してるようなのだ。 その背景には、やっぱり「こういう場所が町を変えられる!」とみんな思っているからなんじゃないのかな。 どうなのかな…。 私自身、今住んでいる辻堂という町にカルチャーみたいなものが希薄な感じがしていて、 それはそれを先導するような本屋さんの存在がないからなのでは? と思う部分もあり(大型書店はある)この町に本屋があれば変わるかも、と思っている。 ーーー
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